中国は21兆ドル(約2300兆円)規模の資本市場の開放計画を8カ月前倒し、ゴールドマン・サックス・グループなど世界の投資銀行に門戸を開く。
ゴールドマンやライバルのJPモルガン・チェース、モルガン・スタンレーなどは、中国で投資銀行業務や証券取引など幅広い業務を行う全額出資子会社の設立申請を4月から認められることになり、従来予定されていた12月から早める。
この決定は15日に米中が署名した貿易交渉の第1段階の合意に盛り込まれた。中国は既に、資産運用や保険分野へのアクセスを認めるなど幅広い金融市場開放を約束している。
15日に公表された第1段階の合意文は、「中国は外資制限を撤廃し、米国が完全所有するサービス提供者が証券やファンド管理、先物セクターに参加できるようにする」とした。
中国はアメリカン・エキスプレスやマスターカード、ビザといった電子決済サービスプロバイダーからの申請を90日以内に検討すると説明。規制を撤廃して 米系保険会社の市場参入を認めるほか、米系信用格付け会社に14兆ドル規模の市場を開放する。
ウォール街や欧州の大手金融機関は数十年前から中国本土に進出して中国の大手企業のディールを取り扱ってきたが、これまでは直接ビジネスをする機会は限られて地元提携先との合弁事業を通じた営業を余儀なくされていた。